日本中央競馬会競走馬総合研究所報告
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キンイロヤブカにおけるゲタウイルスの伝播試験
熊埜御堂 毅福永 昌夫鎌田 正信和田 隆一
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1982 年 1982 巻 19 号 p. 93-96

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抄録

ウマのゲタウイルス感染に関与するベクターを明らかにする目的で, キンイロヤブカ雌成虫を用いて実験感染を行なった。その結果, 105.0 PFU/mlのウイルスを含む血液を摂取した44匹中40匹に感染が認められ, その感染率は91.0%であった。また, 104.3 PFU/mlのウイルス血液を摂取した蚊では46匹中35匹 (76.1%) に感染が認められた。一方, 103.7 PFU/mlのウイルス血液を給餌したものでは40匹中1匹が感染したにすぎず, その感染率は2.5%であった。この試験において, 給飼ウイルス量における蚊の50%感染量は104.0 PFU/mlであり, これは蚊1匹当たり約101.7 PFUに相当した。さらに, 105.0 PFU/mlのウイルスを摂取した蚊を摂取後直ちにウイルス価を測定したところ平均102.6 PFU/匹であったが, 摂取後7-21日目の蚊体内における平均ウイルス価は104.2-104.8を示した。以上の結果から, ゲタウイルスはキンイロヤブカに摂取されることにより伝播され, 蚊体内で増殖することが示唆された。

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