日本中央競馬会競走馬総合研究所報告
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不活化抗原を用いた安全な補体結合試験の馬ウイルス性動脈炎診断への応用
福永 昌夫今川 浩和田 隆一兼丸 卓美鎌田 正信
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1993 年 1993 巻 30 号 p. 33-36

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抄録

馬ウイルス性動脈炎 (EVA) の清浄国で安全に検査できる血清反応として, 不活化抗原を用いた補体結合 (CF) 試験の開発を試みた。抗原の不活化はそれぞれ紫外線照射, 50%エーテル, 70℃加熱, 0.1%ホルマリンで実施した。抗原はウイルス感染価においてエーテルとホルマリンで効率良く不活化されたが, 紫外線照射とホルマリン処理はCF価へ何等影響を及ぼさなかった。エーテル処理はCF価を容易に低減させ, 紫外線照射のウイルス感染価への作用は不確実であった。加熱処理はウイルスを充分に不活化しないばかりか, CF価も低下させた。従って, 以降のCF試験にはホルマリン不活化抗原を用いて実験した。
不活化抗原を用いたCF試験の評価を行うため, 中和試験においてEVA陽性の6頭の馬血清について試験した。中和抗体価1:128-1:256を有する3頭の血清はCF抗体価1:4-1:8を示したが, 中和抗体価1:64以下の3頭の血清はCF反応で陰性であった。

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