小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
小学校外国語活動の成果に対する中学校英語教師の意識調査
萬谷 隆一志村 昭暢中村 香恵子宮下 隼
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2013 年 13 巻 p. 134-149

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抄録
本研究の目的は,小中連携を進める上できわめて重要な中学校英語教師の意識を調査し,外国語活動の成果や課題に対してどのような受け止め方をしているのか,その傾向を調べることである。中学校英語教師114名を対象とした質問紙調査を実施した結果,第1に,中学校英語教師は小学校外国語活動を経験した生徒について,コミュニケーション能力の素地が身に付いていると考えている一方で,読む・書く,文法など小学校で扱われていない項目が低いという意識傾向が見られた。第2に,因子分析により,学習動機の高まり,積極的な英語でのコミュニケーション,英語での会話力という3つの意識のまとまりが観察された。第3に,中学校英語教師が抱く意識の傾向が,研修や授業参観の経験によって左右されないことが分かった。加えて,中学校英語教師をタイプ分けすると,小学校外国語活動に対する否定派,改善派・肯定派に分かれ,さらに所属するタイプによって,外国語活動の成果についての気付きの度合いが異なることも明らかになった。
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© 2013 小学校英語教育学会(JES)
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