2014 年 14 巻 01 号 p. 228-243
本研究では,小学校外国語活動で最もよく用いられている自己評価を用いて,4段階を示したCan-Do 評価を用いた振り返りシートを使用した。従来の振り返りカードとの違いを教授者や児童の声から分析した結果,教授者は,単元や毎時の指導目標を明確にし,指導目標に応じたタスクを検討し,特に「言語への慣れ親しみ」における達成度,すなわち評価規準を設定し,評価基準を4 段階で具体的に記述し,児童に判断させる自己評価を毎時間行うことで,児童にとっては目当てがはっきり分かり,自分を振り返り,評価をすることを通して学びが促進されることが分かった。また,教員には児童の実態が把握でき,授業計画力と分析力が高まり,授業改善につながるといった効果が表れた。その際,公立小学校,私立小学校,低学年,高学年と様々な児童によって違いが見られた。また自己評価とアンケート結果における児童の認識や態度,リタラシー指導の成果と児童英語検定(児童英検)といった外部テストによる英語力との相関も検証したが,それぞれに興味深い結果が得られた。