小学校英語教育学会誌
Online ISSN : 2424-1768
Print ISSN : 1348-9275
ISSN-L : 2188-5966
課題研究
児童のメタ言語分析に基づく外国語科と国語科の連携の試み
西垣 知佳子物井 尚子星野 由子橋本 修安部 朋世矢澤 真人佐藤 悦子石井 恭平大木 純一神谷 昇小山 義徳石井 雄隆
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 21 巻 01 号 p. 176-191

詳細
抄録

本研究では,児童が英語のきまりを帰納的に学ぶ際に用いたメタ言語を調査し,その結果から,小学校の外国語科(英語)と国語科の授業を有機的に連携させる方法を探究した。はじめに,児童が使用したメタ言語の分析結果から,国語で得た知識を英語の知識の理解に活用している児童がいること,英語のきまりを一般化して概念で捉えようとしている児童がいること,英語の文構造に関する気付きを引き出す際,英語とその逐語訳的な日本語訳の比較は有効であること等が確認された。続いて,全ての小学校の英語科検定教科書で扱われている活動を抽出した結果,文法に関する活動は,活動全体の1.4%(46 件/3,300 件)であり,また,全ての小学校の国語科検定教科書では,文型,主語・述語・修飾語,品詞に該当する概念が扱われており,これらは英語の学習に活用できる可能性があることが確認された。最後に,英語と国語の授業の連携の方法として,両言語において,文中の語のまとまりに注目させること,また,品詞に関わる概念を捉えるようにすることは有効であることが示唆された。

著者関連情報
© 2021 小学校英語教育学会(JES)
前の記事
feedback
Top