経済学論集
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Print ISSN : 0022-9768
論文
スウェーデン救貧連盟とその諸活動(4)
石原 俊時
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2018 年 82 巻 2 号 p. 23-62

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抄録

スウェーデン救貧連盟は,1918年の救貧法改革の実現に貢献した有力な圧力団体として注目されてきた.また,その児童福祉に関わる活動も,スウェーデンの児童福祉の発展に重要な役割を果たしたことが知られている.しかし,このように活動の一部に関心が集中する一方で,そもそもこの団体が如何なる課題をもち,どのような活動を展開したのかを検討する作業は十分行われてこなかった.そこで,本稿では,担った課題や活動の展開を万遍なく把握することを通じて,この団体の全体像を明らかにし,それによりこの団体がスウェーデン福祉国家の形成に果たした歴史的役割を解明することを試みることとする.この第4部では,1913年の国民年金の成立と1918年の救貧法改正に至る過程に,この団体がどのように関与し,結果としてそれが組織展開にどのように影響を与えたのかを検討する.

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© 2018 東京大学
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