林業経済研究
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民間援助団体の植林活動と地域住民への役割 : オイスカ子供の森計画を中心として(自由論題論文,1994年秋季大会)
佐藤 孝吉
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1995 年 1995 巻 127 号 p. 119-124

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抄録

熱帯林の減少に対する民間援助団体の植林活動をソーシャルフォレストリーに活用することによって,地域の特徴を生かした森林づくりや林業活動に展開する事を考えた。本論文では,(財)オイスカ産業開発協力団による(1)友好親善を目的としたフォーラム形式の植林活動,(2)技術の普及や生産を目的としたプロジェクト形式の植林活動を踏まえて,(3)学校を単位とし,次世代の若者の森林に対する意識向上と教育を目的とした子供の森計画を取り上げた。子供の森計画の位置づけとして,国際協力や森林保全のための植林活動は,一般的に地域外部組織の中で合意されており,地域外部組織の考え方と地域住民の考え方のギャップにソーシャルフォレストリーの困難さがあると考察した。その点子供の森計画は,計画と実践において地域住民の考え方を尊重したものであり,より地域に根付いた森林活動に近いものであると期待できる。今後の方向性として森林再生の場所と種類など土地利用の将来性を考慮すること,技術援助や資金援助の終了点について検討することを示唆した。

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© 1995 林業経済学会
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