林業経済研究
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首都圏周辺部の消費地市場における木材小売業者の事業活動とその地理的広がり : 茨城県牛久地方の事例
嶋瀬 拓也
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2007 年 53 巻 3 号 p. 21-26

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抄録
首都圏周辺部に位置する茨城県牛久市および(旧)茎崎町の木材小売業者に対して聞き取り調査を行った結果,以下の各点が明らかになった。(1)製材品の仕入先は近隣の木材市売市場が中心で,遠隔地からの仕入れは少ない。得意先は大部分が半径20km圏内の大工・小工務店である。このように,同地域では木材小売業者の商業活動は仕入れと販売の両面において地域内で完結しており,広域流通の担い手ではない。(2)1990年代に入ってから人工乾燥材の取り扱いがみられるようになったが,調査時(2000年)における比率はそれほど高くない。また1990年代半ばから構造用集成材を取り扱う店がみられるようになったが,調査時における比率はわずかである。(3)機械プレカットの取り次ぎはすでに多くの店が行っており,多くは賃加工の斡旋という形をとっている。(4)売上高が今後縮小すると予想する店が多く,事業の継続を望んでいる店は人工乾燥やプレカット加工といった付加サービスの充実によって対応しようと考えている。
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© 2007 林業経済学会
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