林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
インセンティブプログラムにおける再契約行動の決定要因
久万林業活性化プロジェクトを事例として
鈴木 康平
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2017 年 63 巻 1 号 p. 37-47

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抄録
持続可能な林業経営を行っていくことは,安定的な木材供給や森林保全に極めて重要である。この目的を達成するため に,世界的にはインセンティブプログラムという手法が注目を集めている。多くの先行研究でインセンティブプログラ ムの参加行動に関する研究がなされてきたが,再契約行動に関する研究は少ない。本研究は,愛媛県久万高原町におけ る久万林業活性化プロジェクトをインセンティブプログラムの一事例として森林所有者の再契約行動の要因を計量経済 分析によって明らかにした。また,従来重要と考えられてきた変数だけでなく,森林所有者の人間関係が再契約行動に 与える影響について検証した。分析の結果,所有している森林面積が大きく,久万高原町に在住で,後継者が林業に関 心を持っていないという理由で参加した人の方が再契約する確率が低くなることが明らかになった。また,所有してい る森林にほとんど訪れないような所有意識や経営管理意識の低い人,森林所有の動機として,森林の公益性を社会に還 元することやレクリエーションの場として活用することを重視している人,参加時に森林組合から参加依頼を受けて参 加した人ほど再契約する確率が高くなることが明らかになった。
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© 2017 林業経済学会
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