林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
林業経営の組織形態の変化についての新制度学的検討
1960年代以降を対象として
林 雅秀
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 63 巻 1 号 p. 25-36

詳細
抄録
林業の家族経営と企業経営の2つの組織形態に着目し,1960年以降の林業経営の変化を検証し,新制度学派の立場からその変化の意味を考察した。具体的には,第1に,センサスデータを用いて保有・育林・伐採の各経営過程の1960年以 降の変化を観察した。その結果,保有と伐採については緩やかに企業経営が増加していることや,育林活動については家族経営が一貫して活発であることなどがわかった。川下の林産業の大規模化によって,取引コスト削減の面で川上の企業的な林業経営の優位性が高まるものと考察された。第2に,家族経営内部の意思決定についての質問紙調査を分析した結果,林家といえども伐採や育林の意思決定に経営主以外の家族が関与する機会が少ないことがわかった。こうした家族経営内部の実情は家族経営の優位性に影響を与えると考察された。
著者関連情報
© 2017 林業経済学会
前の記事 次の記事
feedback
Top