2018 年 64 巻 1 号 p. 14-25
本稿では,森林総合監理士(フォレスター)および森林施業プランナーのこれまでの育成状況とその後の活動状況を明らかにし,その到達状況等の評価を行うとともに,今後の育成・能力開発や活動促進にあたっての課題や方策についての考察を行った。その結果,人材の量的・質的確保,他の林業人材との連携強化,それにあたっての各人材の認知度の向上,所属機関でのキャリアパスや処遇の改善等,両人材間で共通する課題がみられた。これらの課題の解決に向けては,各人材やその候補者らが自助努力を惜しまず,研鑽に励むことはもちろんであるが,所属機関でのキャリアパスや処遇の改善のように,各人材やその候補者らの自助努力のみでは課題の解決が容易でない事項もある。林業人材に関わる産学官の組織が連携し,就業前から就業後までを見通した包括的な教育・研修の実践やキャリアパスの構築の実現に向けた取り組みを進めることが期待される。