抄録
栃木県の「緑の雇用」研修生を対象に,生存時間分析法の1つであるCoxの比例ハザードモデルを作成して離職の発生への要因分析を実施した。ここでの離職とは,通常の勤め先からの離職ではなく,林業に従事しなくなったことを指す。期間は2003年4月1日から2018年4月1日であり,その間の全研修生を対象とした。得られたモデルから地元採用者である研修生において,入職時期によって定着状況に違いがあることが示唆された。一方で,森林組合入職,入職年齢30・40代,ハローワーク経由入職,前職現業職,入職時有効求人倍率,入職時期による定着状況への違いは見いだせなかった。想定された多くの説明変数が有意とならなかったことは,入職時点よりも入職後の就業環境などが離職発生により大きな影響を与え得ることを示唆させた。