日本女性骨盤底医学会誌
Online ISSN : 2434-8996
Print ISSN : 2187-5669
骨盤底筋群に対する感覚フィードバックが骨盤底挙上量に及ぼす影響
寒川 美奈石塚 利光岡橋 優子
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2016 年 13 巻 1 号 p. 163-166

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抄録

骨盤底筋体操における指導時には、収縮感覚のフィードバックが大切といわれている。本研究は、骨盤底筋群に対する収縮感覚フィードバックにストレッチポールひめトレを用いて運動指導を行い、その有効性を検討した。対象は、健常成人42名(男性12名、女性30名)、平均年齢36.6歳とし、実験前には尿失禁に関する質問紙を回答させた。ひめトレを用いた運動指導は、ひめトレ上に被験者を座らせ、呼吸に合わせて骨盤底の挙上と弛緩を2分行わせた。骨盤底筋収縮の変化は、経腹超音波にて収縮前後の腹壁膀胱底距離の差を骨盤底挙上量として計測した。収縮感覚は介入中およびその前後で調べた。腹壁膀胱底距離は、ひめトレの介入前、介入中、介入後で有意に変化した(p<0.001)。骨盤底挙上量は介入前後で差はみられなかったが、収縮感覚はひめトレ運動後有意に改善した(p<0.05)。また、尿失禁の有無で骨盤底挙上量に差がみられた(p<0.05)。本研究結果より、ひめトレを用いた骨盤底筋の指導は収縮感覚を引き出すことには有効であることが示唆された。また、尿失禁を有する場合は骨盤底筋収縮による骨盤底挙上の低下が示された。

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© 日本女性骨盤底医学会
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