2016 年 13 巻 1 号 p. 156-162
<はじめに>介護予防事業の一環として行政・泌尿器科医・理学療法士らが連携し開催してきた “女性のための尿失禁予防教室” 参加者での下部尿路リハビリテーション前後のQOLの変化と、その変化に影響を及ぼす因子を明らかにした。<対象>40歳以上の尿失禁等に悩む女性177名を対象とした。
<方法>下部尿路の機能評価は、排尿日誌および問診票を用いて算出した。QOLについては国際失禁会議尿失禁質問票短縮版(ICIQ-SF)を用いて評価した。介入は、統一されたマニュアルを基に理学療法士らが、尿失禁に関する基礎知識や骨盤底筋体操および生活指導を12週間にわたり8回行った。
<結果>各群における初期と最終でのICIQ-SFの比較では、すべての群で有意な改善が認められ、複数の群において失禁回数・排尿回数との相関が認められた。<考察>下部尿路リハビリテーションは、40歳以上の女性において生活の質の向上に寄与していることが示唆された。