2017 年 14 巻 1 号 p. 69-73
当院では2015年9月より骨盤底筋指導外来を開設し、1年間で108名が指導を受けた。これらの患者背景を調査するとともに、開始後3か月以上経過し、かつ必要なデータが得られた72名を対象として指導前と3か月時のOABSS/QOLスコア・24時間パッドテスト・自覚症状の変化を調査した。
108名の平均年齢は63.0歳、過活動膀胱36名、腹圧性尿失禁25名、混合性尿失禁19名、骨盤臓器脱17名、術後再発予防11名であった。72名の訓練期間は平均6.2か月、指導回数は平均3.4回であった。OABSSは11/20人(55.0%) で、QOLスコアは12/17人(70.6%)で改善した。24時間パッドテストもほぼすべての患者において減少した。対象疾患の自覚症状は約8割の患者において改善または消失した。
系統立てた骨盤底筋指導を行うことによって、効果を実感できる症例が多く、短期成績は満足できるものであった。