抄録
傾斜地での走行性、環境保全性に優れたモノレールは、森林作業における作業員あるいは木材の輸送手段として普及し、現在250台余りの乗用形モノレールが稼働している。しかし、奥地林や林道の延長として設置されるため、一般に目にすることが少なく、その普及実態についてはあまり知られていない。そこで、林野庁普及課の実施する「乗用形モノレール導入調査」のデータを基に、乗用形モノレールの現況や導入効果について分析し、その普及要因について検討を行った。その結果、地形傾斜が急峻であり、奥地林まで人工林化が進み、架線系機械による集材作業を行っている流域への導入が多く、人工林の適正な管理を行うことを目的として導入されていることが明らかとなった。