日本林学会大会発表データベース
第114回 日本林学会大会
セッションID: P1023
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経営I
民間人によって選抜・育成されたヒノキさし木品種の林業的意義
__-__新品種の東山1号・文明桧を中心にして__-__
*今安 清光柴山 善一郎山本 武
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抄録
小面積の林家が収益を高めるためには良材生産が重要になる. 愛媛県には「優れた品種が見つかれば林業ほど将来性のある仕事はない」と考える民間人(愛媛県久万町の石田多美雄氏と小倉文明氏)が存在している. 彼らは独自の考えで数種のヒノキさし木品種を選抜・育成している.それらを山に植林して良材を生産しようときめ細かな手入れを行っている. 林業的にはヒノキのさし木品種の種類も少ないうえにあまり一般林家には知られていない.しかし、その品種が多彩になれば林業上極めて有意義である.愛媛県久万町では小倉東山1号や百年桧(平成15年1月に旧称「文明桧」から「百年桧」に品種名が変更された)が新しい視点から選抜されて、さし木苗の親木として大切に保存されている.その2種の親木選抜の林業的意義について簡明に論じた.あわせて、多彩な新品種を選抜育成するための方法を提案した.すなわち、東山1号は木の形質のはっきり分かった伐採木から選抜され、百年桧はこれまでのさし木の常識を覆す古木から選抜された.両品種の選抜・育成は、各地の必要性に応じた多彩な新品種を選抜・育成することに大きく道を切り開く画期的なものであることを強調した. あわせて今後の課題についても簡潔に論じた.
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© 2003 日本林学会
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