抄録
本研究では、メートルオーダー以下の高分解能センサで物体の形状を把握しうるヘリ搭載型LIDAR(中日本航空)を利用し、レーザーのスキャン角の違いから生じるサンプリング密度の大小が、急峻かつ複雑な地形で密な林分という特徴を持つ日本の森林における森林資源量の推定にもたらす影響を明らかにすることを目的とした。47年生スギ人工林を対象として、平均傾斜約40°の同一斜面内の上部、中部、下部に約10m×20mのプロットを設置し、10°,45°,60°の3種類のスキャン角で観測されたレーザーデータから各プロットの樹木本数および平均樹高の推定をし、実測値との比較を行った結果、どのスキャン角においても、本研究で提示した手法を用いれば、高精度の樹木本数推定および平均樹高推定が可能であることが示唆された。