日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: A12
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育種
アオダモ(Fraxinus lanuginosa Koidz.)における組織培養系の確立
*東 暁史錦織 正智松村 幹了堀川 洋
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抄録

 アオダモ(Fraxinus lanuginosa Koidz.)は温帯性の落葉高木樹であり,その堅くて強い材質からバット材として評価が高い。しかし近年ではその資源量が激減し,国産のバット材の枯渇が危惧されている。今後は量と質の両面を視野に入れた資源の回復が課題である。しかしながら,現況では実生生産である苗木は種子の豊凶により安定確保が困難であり,また効率的に育種を進めるために必要な栄養繁殖方法も確立していない。そこで苗木の大量生産が可能であり,選抜育種を可能にする繁殖方法としての組織培養法である節培養系の開発について検討をおこなった。材料には常法により殺菌した種子および腋芽から,それぞれ胚軸とシュート頂を摘出し培養に用いた。 その結果,初代培養において,胚軸ではBAP0.2と0.6mg/l区でシュート頂の成長数が多く,一方,腋芽ではBAP0.2と4.0mg/l区で多かった。継代培養においては,いずれもBAP8.0mg/l区で平均増殖倍率が最大となった。また外植体間のシュートの形態に大きな差異は無く,これらは同一の培養法,培地組成で増殖できることが明らかとなった。シュートの発根に適したNAA濃度はNAA0.2~0.6mg/lであった。

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© 2004 日本林学会
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