日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: A13
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育種
ヒノキ、サワラ不定胚形成細胞を用いたプロトプラスト培養、及び単細胞培養の試み
*細井 佳久丸山 エミリオ石井 克明
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抄録
1.目的 サワラについては114回の林学会大会でプロトプラストからの植物体再生について報告した。しかし、ヒノキについては未だプロトプラスト培養による植物体再生の報告がないため、未熟種子胚から誘導した不定胚形成細胞についてプロトプラスト培養を行った。また、プロトプラストの培養では、一般に培養に適した密度やプロトプラスト数があるため、単一のプロトプラストだけを培養することは困難である。そこでヒノキの単細胞やサワラのプロトプラストについて単独の細胞、あるいはプロトプラストの培養を試みた。2.方法2-1.ヒノキについて(1)プロトプラスト培養  茨城県林業技術センターに植栽されている精英樹の箱根2号の未熟種子から不定胚形成細胞を誘導した。得られた細胞からプロトプラストを単離し、0.6Mマンニトールを含む改変MS液体培地で培養した。(2)単細胞培養 不定胚形成細胞をナイロンメッシュで漉し、得られた単細胞を96ウエル培養プレートで培養した。1ウエルあたり1細胞置床した。2-2.サワラについて(1)プロトプラスト培養用の培養細胞の誘導 森林総合研究所内のサワラから未熟種子を採取し、不定胚形成細胞を誘導した。(2)単一プロトプラストの培養 得られた不定胚形成細胞からプロトプラストを単離し、24ウエル培養プレートで単独培養した。ウエルにはあらかじめミネラルオイルを0.3ml分注し、その中にマイクロマニピュレーターを用いて液体培地を約50nl注入後、プロトプラストを置床した。3.結果3-1.ヒノキについて(1)プロトプラスト培養 カゼイン加水分解物を含み、2,4-DとBAPを添加したMS改変培地で培養すると不定胚形成細胞が誘導できた。得られた細胞からプロトプラストを単離、培養すると不定胚形成細胞の再分化がみられた。(2)単細胞の培養 培地条件により異なるが、最高で30%以上の単細胞が分裂し、不定胚形成細胞塊を形成した。3-2.サワラについて(1)プロトプラスト単離用培養細胞の誘導 2,4-Dを添加したDCR液体培地で培養すると不定胚形成細胞を誘導することができた。(2)単一プロトプラストの培養 培養開始2週間後、一部で細胞の分裂がみられた。しかし、不定胚形成細胞の再分化までには至らなかった。
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© 2004 日本林学会
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