日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: K04
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T14 森林整備のための方策・展開
複合規格路網の配置評価とシミュレーション
モノレール路線の便益評価と適正配置
*仁多見 俊夫
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抄録

複合規格路網は,林道,作業道,モノレールという規格の異なる路線によって構成される路網である.異なる規格の路線は,開設条件が異なるとともに提供するサービスが異なり,森林エリアの面積,地形条件などによって適切な路網構成や配置が異なる.林道,作業道は,作業機械を導入して隣接林地へ直接森林作業を行うことができるが,モノレールは,直接に隣接林地へ作業することができるものは限られており,路線上の地点までの運搬機能を提供する場合が多い.モノレールは林道として区分され,整備にかかる補助の対象となったが,その便益を評価することが容易ではない.そこで本研究では,モノレールによって提供される林地への到達性を人の歩行移動の肉体負担および歩行時間を指標として評価し,その評価モデルを用いて,異なる規格の路線によって道路網を形成する際のモノレールの適正配置について検討した.モノレール路線による森林作業のための便益について,到達モデルを検討するとともに,配置シミュレーションによって評価した.歩行移動の肉体負担,到達効率は山腹傾斜によって異なり,それらをパラメータとして適切な路線配置を明らかにした.急勾配な歩行移動を許容する森林作業の場合と,肉体負担を制限するエコツアーを対象とした場合で,路線の配置に差が見られる傾向が得られた.

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© 2004 日本林学会
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