日本林学会大会発表データベース
第115回 日本林学会大会
セッションID: P2034
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風致
遠隔地で森林レクリエーションを支援する学生の生活について
*本江 一郎鈴木 直樹鍛代 邦夫前田 重紀
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抄録

I はじめに 森林を学ぶ学生にとって夏季の長期休暇は遠隔地の森林で実施されるレクレーションを体験、学習、経験する好機である。 しかし、自宅ないしアパートで自由に生活する現代の学生にとって、多数の学生がともに長期間生活することは困難なことと推測される。 そこで男女5名ずつの学生それぞれ約70_m2_の建物2棟で生活を行い、生活環境改善について検討を行い、114回日本林学会大会で発表した。 その結果大部分が改善したにもかかわらず起床時間、就寝の阻害、朝食時間の分散、プログラムの準備不足が指摘されたため、今回はこれらを改善するため情報の共有化を目的として共同生活を実施した。II 方法 2003年7月19日から8月31日までの42日間男子4名、女子8名が参加し、新潟県十日町市あてま高原リゾートが運営する自然学校のプログラムとして森林レクレーションの実施に参加した。 参加した学生の生活環境は昨年の2棟使用から、今年は2階建て延床面積約190_m2_を使用し、1階は男子、2階は女子にわけて一棟で生活することにした。III 結果と考察1. 睡眠について  起床時間は昨年で6時が40%、7時が50%、8時が10%であったが今年度には6時が0%、7時が67%、8時が33%となり7,8時が増加した。就寝時間は昨年が22時が10%、23時が30%、24時が60%に対し、今年度では22時が8%、23時が58%、24時が33%で23時が増加した。このように就寝を阻害した要因が減少したが、まだ翌日の準備が阻害要因として存在した。2. 食事について 昨年は起床との関係から朝食をとることのできない者が10%いたが、プログラムの準備や就寝時間の改善で、今年は7時が17%、8時が83%となり全員が朝食を終了した。 時間的な制約もあるが昼食は従業員食堂を利用することにより、自炊による時間制約の負担を軽減することができ、昨年は希望どうりにならないが20%あったが、今年は100%となった。 夕食は各自の希望を聞き取り、複数日責任を任された担当者を中心に自炊を行った。その結果、食事担当者はプログラムに左右されることなく学生の生活面のバックアップに徹することができた。これにより昨年では多少の問題があると100%答えたのに対し、今年では83%が楽しめると答えた。又、夕食を全員で取る事により、情報の共有化も可能となった。3. プログラムについて 内容は森で行うバームクーヘン、ピザや森の材料を用いたクラフトづくり、森の探検隊などの従来の項目の他に、更に森林に接する物としてDay campを加えた。 今年のアンケートの結果から昨年同様、午前の開始時間は10時が適当であると100%であったのに対し、午後の開始は2時が20%、3時が70%から2時が75%、3時が25%となり2時が増加した。この間に昼休み、手の空いた人は次回の準備を行っていた。なお昨年は車両が運営に必要と感じたのは100%であったが、今年は92%であった。 以上のことから一棟での共同生活は学生間のコミニュケ_-_ションの改善に役立ち、この事が昨年の問題を解決し、効率化に役立ったと考えた。

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© 2004 日本林学会
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