北海道空知南部・胆振東部のエゾシカの低密度地域において、天然林および人工林のエゾシカによる森林被害を調査した。天然林では、7市町10ヵ所に0.04から0.1haの固定調査地を設置し、樹皮食い、枝食いによる被害を調査した。その結果、7.7から43.4%の被害がみられた。被害の90%以上は10cm以下の小径木であった。また、樹種別ではツリバナが最も被害を受けており、続いて、アオダモ、オヒョウとなった。一方、トドマツ人工林4林分において樹皮被害のモニタリング調査をした結果、累積被害率は12.5から31%であった。また、被害の多くは角擦りによるものであった。