日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: A01
会議情報

立地
北関東低山帯の小流域における土層厚分布と土壌物理特性
*大貫 靖浩吉永 秀一郎釣田 竜也荒木 誠伊藤 江利子志知 幸治松浦 陽次郎小野 賢二岡本 透
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

茨城県北東部に位置する桂試験地において、土壌中の水や溶存物質の移動、広域汚染物質の貯留に寄与すると考えられる、厚い土層の分布様式や火山灰を主要母材とする土壌の物理性について、詳細な調査・分析を行った。その結果、以下のことが明らかになった。
1)表層土層厚は、谷頭凹地の上流側~谷頭斜面においては3mを超える厚い土層が線状に分布し、右岸側の遷急線以上に位置する上部谷壁斜面・上部谷壁凹斜面においては、広い範囲で4mを超える厚い土層が分布していた。これに対し、開析の進んだ左岸側の頂部斜面や両岸の下部谷壁斜面においては、表層土層が1m以下であった。 
2)風化層厚は、流域全体に1m以下の地点が広く分布していた。厚い風化層の分布域は、右岸側の遷急線以上に位置する頂部斜面・上部谷壁斜面・上部谷壁凹斜面であった。
3)土壌の保水機能に寄与する有効孔隙率は、遷急線以上の土壌で0.10 m3m-3、遷急線以下の土壌で0.07 m3m-3であり、レキ量の大小が有効孔隙率に影響を及ぼしていると考えられた。土壌の浸透能に寄与すると考えられる飽和透水係数は、10-4~10-5 m-1s-1オーダーの値を示した。

著者関連情報
© 2013 日本森林学会
次の記事
feedback
Top