抄録
[目的] 樹木の立ち枯れは、環境汚染物の硫酸により土壌が酸性化し、樹木の防御成分の生成が減少し、虫が大発生することを明らかにする。[方法] 樹木の下の土壌のSO42-濃度等を測定し、さらに、関東ロームや岩石成分の酸による成分の溶出状況を検討した。 [結果] 化石燃料の燃焼で生成する硫酸は、雨に溶解し、大気中の硫酸は、風の通過量と樹木の表面積に比例して樹木えの付着量は多くなる。硫酸は雨で根元に落とされて土壌を酸性化する。土壌は金属イオンを溶出し、水と吸収されて樹木の中のリン酸と化合し、不溶性の金属リン酸塩になる。樹木はリン酸不足と同じ現象になり衰退する。マツは樹脂の生成量が減少し、ナラ等は金属によりタンニンが無毒化される。タケ等は土壌の酸性化で、シリカが不溶性のケイ酸になり、吸収できなくなる。樹木の立ち枯れる主原因は、土壌の酸性化である。樹木は生長に必要なNa、 K、 Mg、 Ca、P等を含み、炭化すると炭酸塩や酸化物になって木炭の中に残る。雨水は木炭に掛かるとアルカリ溶液になり、酸性土壌を中和する。残った元素は理想的な割合で含む栄養源になり、木炭は保水剤や土壌微生物の住み家になる。