抄録
FIT制度導入後の未利用林地残材を用いた木質バイオマス発電の九州地域における動向について報告する。まず,発電出力,稼働時間を想定し,設備・運転コスト,使用燃料量等を既存の事例データをもとに推定することで,燃料買い取り支出可能金額を算出した。次に,未利用林地残材からの燃料生産コストを,土場までの搬出コスト,土場でのチッピングコスト,発電プラントまで輸送コストに分けて算出した。さらに,鹿児島県内のある森林組合管内を対象として,皆伐実施面積とその空間分布を調べ,燃料チップ生産可能量を検討した。九州の大量のスギ生産量を背景とした未利用林地残材燃料に対する期待は大きいが,発電事業のためには燃料生産コストの低減,乾燥施設の導入,皆伐面積の増加や九州内複数県からの燃料調達も検討課題として挙げられる。