日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: A34
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日本森林学会・日本木材学会 合同シンポジウム 「これからの木材利用と森林施業 ―木質資源のカスケード利用を目指して―」
これからの森づくりの観点から
*國崎 貴嗣
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抄録

生産年齢人口が減少し,第三次産業への従事者割合が高まる日本では,近い将来での林業従事者の大幅な増加は期待できない。こうした中で森林の公益的機能を持続的に発揮させつつ,黒字を出せる森林経営を展開するには,温故知新(持続可能な森林経営は「森林」,「林業技術」,「人材」があってこそ)が重要である。森林,林業技術,人材を調和させる上で,今こそ森林計画(森林組織化,森林誘導,森林施業の有機的結合)を有効に活用することが求められる。森林組織化では,地域の実状を踏まえつつ,適切な作業級(目標林型と林分配置を明確にした,組織化された森林)を各地に設計する必要がある。このためには,現場を知る林業関係者(所有者,林業事業体,森林組合)はもちろんのこと,地域の森林・林業・木材産業の動向を知る行政関係者,地域の森林造成技術を科学的に評価できる研究者が,「前向き」に連携し続けることが必要不可欠となる。産官学の連携を生み出し,これを継続させる上で,産官学いずれも,膨大な累積債務を抱える政府からの予算(補助金)にあまり頼っていられないことを強く認識すべきである。

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© 2013 日本森林学会
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