日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: N05
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生態
照葉樹林主要樹種の近年の直径成長の推移
*齊藤 哲新山 馨金谷 整一
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抄録
越境汚染物質の西南日本の森林への影響を明らかにするために,照葉樹林主要樹種の近年の直径成長パターンを解析した。宮崎県綾町および鹿児島県屋久島の照葉樹林に設置された LTER サイトから種陽樹種のイスノキ,タブノキ,スギ,モミ,ツガ,ウラジロガシなどから成長錐コアを採取し年輪幅を計測した。単年ごとのノイズを除くためノンパラメトリック回帰をもちいて、成長錐コアの年輪幅の直近60年の時系列変化の傾向を解析した。近年の直径成長量の変化の傾向は,同一種内でも個体間で大きく異なり,種として顕著に衰退傾向の確認できたものはみられなかった。長期モニタリングデータで記録されている台風など何らの被害と,成長衰退傾向の有無とも明瞭な関係が認められなかった。一方で,個体サイズの大きいイスノキやタブノキ,モミなどの一部で直径成長の低下傾向のあるものもみられた。林冠層を形成するサイズの大きな個体は越境汚染物質を浴びやすく,汚染物質が成長衰退に影響している可能性も考えられる。しかし,サイズの大きい個体でも衰退がみられないものもあり,現時点で越境汚染物質による照葉樹林の顕著な衰退は確認できないと思われた。
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© 2013 日本森林学会
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