抄録
【目的】複数地域のスギのデータを用いて、正形数の不変性に基づいて理論的に導出される材積式と幹曲線式(井上・黒川、2001a、b)の適合性を評価した。
【データ】幹材積表(林野庁計画課、1970)の調製資料を用いた。樹高、胸高直径および幹直径(高さ1 mから、2 m毎に計測)を解析に供した。
【材積式の評価】材積式として、理論的材積式(v=d2h/[4{2(1-1.2/h)}1.060])を用いた。ここで、d、hおよびvは樹木個体の胸高直径、樹高および材積である。高知地方のスギにおいて、理論的材積式による推定材積は、サイズの小さい(< 1.0 m3)個体では実測材積とよく一致していたが、サイズの大きい個体では実測材積よりも約20%過大であった。さらに他地域のデータも解析し、誤差の発生要因について報告する。
【幹曲線式の評価】相対幹曲線式として、Behre式とKunze式を採用した。両式は共に2つの係数を持つ。これらの係数は、正形数の不変性に基づいて、定数として導出できた。発表では、係数を固定した両幹曲線式の適合性評価について報告する。