異なる植生帯への侵入過程(ex. 熱帯雨林種のサバンナへの侵入)における促進作用を検討した研究は少ない。本研究はアフリカ東南部において山地雨林種であるSyzygium guineense ssp. afromontanum(フトモモ科:以下Syzygium)の周辺疎林への侵入過程における促進作用の重要性を検討した。
本調査地は大部分がミオンボ林(マメ科が優占する熱帯疎林)から構成されるが、パッチ状の山地雨林も存在している。本研究ではミオンボ林においてSyzygium実生の生存率を4マイクロハビタット(B. floribunda 下、U. kirkiana下、F. natalensis下,オープンスペース)で比較した.さらに、以上のマイクロハビタットで環境条件を比較した。
調査の結果、F. natalensisとB. floribunda下にセットしたSyzygium生存率はU.kirkiana下とオープンスペースのものよりも有意に高い値を示した.本研究はF. natalensisとB. floribundaはSyzygiumのミオンボ林における定着を促進していることを示唆する。