日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P1-047
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生態
北日本の山地性ヤナギ属5種の当年生実生の育苗によるより正確な同定
*星崎 和彦杉浦 大樹松下 通也
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抄録
樹木の当年生実生の種同定は森林生態学の幅広い分野で基盤情報となるが、小種子由来の小さな実生の同定には相応のスキルが要求される。本報告では、極小の種子を持つヤナギ属の実生同定のポイントについて報告する。岩手県奥羽山系の渓畔域に実生発生を促す発芽床を25か所設置した。2012年5~6月に約7日ごとに各々を見まわり、発生直後の実生を極小コンテナで持ち帰って人工気象器で育苗した。また現地の成木(オノエ、バッコ、シロ、キツネ、イヌコリの5種)から果序を採取し、室内で播種して同条件で育て、既知種のレファレンスとした。 この5種は子葉や初出本葉の形態ではほとんど区別できなかった。本葉が数枚の段階でも同定は不安定で、発生1か月後でもしばしば種が訂正された。2か月前後で約5cm超(本葉5枚前後の段階に相当)に至った個体の種はかなり判別できた。しかしバッコヤナギとキツネヤナギの識別には、10月でもルーペが必要であった。このように、発芽直後の実生を室内で育てればヤナギ属の種もある程度同定できる。しかし、発生初期は誤同定が避けがたいこと、バッコヤナギとキツネヤナギは形態的類似性が高いことに留意すべきである。
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© 2013 日本森林学会
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