日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P1-095
会議情報

造林
核EST-SSRと葉緑体シークエンス解析によるミズナラの地理的分化
*松本 麻子, マルディア ラーマ, 上野 真義, 金指 あや子, 小山 泰弘, 津村 義彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
ミズナラ(Quercus crispula)は日本の冷温帯を代表する樹種であり、広く日本全域に分布する落葉広葉樹である。近年では植栽の機会が増えているが、森林総合研究所による「広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン」が出されるまでは、遺伝的に異なる集団を植栽したために引き起こされる遺伝的撹乱について十分考慮されていなかった。本研究では、先行研究で種苗移動区域の検討に用いた核DNAのEST-SSRの結果を新たな手法で再解析し、今回新たに得た葉緑体DNAの結果と合わせて、より詳細なミズナラの遺伝構造について検討した。全国36の天然林を対象に解析したところ、核DNAでは南北方向で遺伝的な勾配があり、中部地方がほぼ中間であった。葉緑体DNAについてはさらに長野県25地点を加えて解析を行ったところ、西南日本でハプロタイプの多様性が高く中部以北では低いことが明らかになった。これらの結果から、中部・甲信越地方がミズナラ天然林の遺伝的分化に関する境界域であることは明確であるが、詳細な位置を明らかにするためには、中部・甲信越地方の調査地点を増やす必要があると考えられた。
著者関連情報
© 2013 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top