抄録
ナラ枯れは京都市内でも発生しており,京都府立大学周辺(上賀茂神社,下鴨神社,府立植物園,京都御苑)ではビニール被覆が実施されている。しかし,船岡山(約7.4ha)ではブナ科樹木が多く,ビニール被覆ができなかった。そこで,2011年は,さまざまな方法を組み合わせた総合防除を実施したが,カシノナガキクイムシの穿入を見逃した木が枯れた。そこで,2012年は,粘着紙(かしながガホイホイ)とペットボトルトラップを用いた防除を実施した。枯死木3本と衰弱木3本を伐倒処理し,フラス排出量が多い穿入生存木13本に粘着紙を被覆して脱出を防止した。また,明るい場所の大径木100本に粘着紙を設置し,6~10月の間,ほぼ1週間ごとに粘着紙を見回り,カシナガが捕獲された木と,周辺で穿入を受けた木にペットボトルトラップを2~4基ずつ設置した。この他,御神木など8本にヒノキ木屑を設置し,7月20日以降に穿入を受けた33本に防虫網を被覆した。その結果,ペットボトルトラップ(67本に195基)でカシノナガキクイムシ371,836頭が捕殺でき,新たな穿入による枯死木を1本に抑えることができた。