日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-085
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生態
モンゴル北部・タイガ地帯における森林バイオマスに及ぼす気象因子の影響
*武田 一夫野堀 嘉裕ロペス ラリ-石田 祐宣瀧 誠志郎溝田 智俊
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抄録

自然林は,発芽・定着・成長の過程で自己間引きをしながら最大バイオマスになり,両対数で表す平均樹幹重量と平均樹木本数との関係において,最大密度曲線に収束する。曲線は,経験的に2分の3乗則として知られ,ここに組み込まれた定数は気象条件(温度・降水量など)や植生条件を反映していると考えられている。著者らは,この経験則を現地調査で裏付けることを目的に,モンゴル北部・タイガ地帯にあるシベリアカラマツ(Larix sibirica)純林において,森林バイオマスに及ぼす気象因子の影響を調べた。北部フブスグル湖周辺では,湖南端ハトガル(標高1650m)北方17kmの西岸にあるヒルビスト山(標高2515m)東向き斜面の約4km範囲にある標高の違う6か所(1700,1850,2000,2100,2200,2300m:森林限界)で毎木調査した結果,森林が最大バイオマスに達し降水量一定(ハトガル年平均降水量306mm)と仮定して,定数を温量指数の関数で表すことができた。また,ハトガルから南部オロンゴまで(直線距離456km)の緯度の異なる5か所の調査から,定数との相関が温量指数でなく降水量との間に認められた。

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© 2013 日本森林学会
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