抄録
【目的】従来、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ家系の抵抗性の評価は内陸畑土で実施されていたが、クロマツ苗木のほとんどが植栽される海岸砂地での抵抗性については明らかとなっていない。そこで、海岸砂地と内陸畑土においてマツノザイセンチュウの接種試験を行い、植栽地の違いが生存率に及ぼす影響を調査した。【方法】2009年~2012年の4年間、千葉県内の海岸砂地、内陸畑土、各3か所に抵抗性6家系の2~3年生苗(1家系10~40本)を、毎年春に単木混交で植栽し試験した。7月下旬にマツノザイセンチュウ(Ka-4)を1本当たり3,000~10,000頭接種し、11月に枯損状況(生存率)を調査した。【結果】4年間の平均生存率は、すべての家系で海岸砂地が内陸畑土より低く、家系ごとの平均生存率を全体で平均すると、海岸砂地が23%、内陸畑土が51%であった。また、6家系の海岸砂地の平均生存率と内陸畑土の平均生存率の相関係数は0.92(P=0.0089)と極めて高かった。以上のことから、内陸畑土での接種試験では、海岸砂地より苗木の生存率が高くなるものの、そこでの抵抗性評価は海岸砂地にも反映できる可能性が示された。