日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: P2-056
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造林
獣害を受けたクヌギ植栽林分での植栽木の成長
*岡本 卓也渡邉 仁志田中 伸治
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抄録

【目的】獣害が樹木の成長に与える影響を明らかにするため,植栽直後にイノシシによる掘り起しや引き抜き(獣害)を受けたクヌギの生育状況を調査した。
【方法】岐阜県美濃加茂市(標高250m)のクヌギ植栽地(2009年3月植栽,4000本/ha)に3調査区(144~226m2)を設定し, 2009年(植栽直後),2011年(獣害発生直後),2012年および2013年に植栽木の生残と成長を調査した。獣害は2011年2月に発生し,同月に獣害を受けた植栽木を再植栽した後,高さ1.0mの侵入防止網で植栽地を囲った。
【結果】獣害は半数の植栽木に発生していたが,その多くは枯死しなかった。いずれの調査区でも,植栽木の樹高成長が認められた。獣害の有無によって樹高の成長量を比較すると,成長量が小さい調査区では獣害を受けた植栽木の成長量が小さかったが,成長量の大きい調査区では成長量に差は認められなかった。このことから獣害発生後,速やかに獣害対策を実施し再加害を防ぐことにより,クヌギの生育適地においては植栽木の成長に対する獣害の影響を少なくできると考えられた。

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