日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: A30
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林政部門
木材の環境情報の伝達と木材輸送距離
*藤原 敬
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抄録

来るべき循環社会の中で再生産可能な木材は重要な役割を果たす可能性をもっており、それに至る過程で、木材の環境負荷と貢献に関する情報を市民社会・最終消費者とサプライチェーン等を通じて共有することが課題である。木材の環境情報は、1)生産地における森林持続可能性に関するもの、2)供給過程における生産・輸送にかかる外部への環境負荷の程度に関するものがある。前者については、森林認証制度のサプライチェーン管理、合法性証明のガイドラインなどが提唱され、後者はカーボンフットプリントなどが提唱さてきた。木材の輸送距離を環境負荷の説明変数として利用するウッドマイルズ運動は上記2)のライフサイクル全体の情報のごく一部を対象としたものとしての制約はあるが、他方で1)の情報の信頼性トレーサビリティの効率性にかかわる情報でもあり、重要な役割をもつものと考えられる。木材の需給を巡っては、市場のグローバル化に対して、自給率向上・地域材住宅ブランド化など政策面でのローカル化を推進する動きなどがある。これらのふまえた日本の消費木材の輸送距離の推移を推計し、環境評価と政策評価の手法としてのウッドマイルズの可能性を検討する。

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© 2015 日本森林学会
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