日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B024
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生態部門
ヒノキ林土壌における細根の動態と空間分布
*小畠 祥由武田 博清
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抄録

 森林生態系における養分動態を解明するにあたり、地上部からの有機物とともに、地下部の細根現存量、成長量、枯死量などから細根の動態を研究することが重要視されている。本研究では、土壌薄片法を用いてヒノキ林土壌中の細根を調べ、細根を分解過程毎に分類し、細根の動態と、土壌中における細根の空間利用様式を明らかにした。
 調査は、京都大学農学部上賀茂試験地のヒノキ林土壌において土壌ブロックを採取し、土壌深度4cmまで、深度1cmごとに1×1cmの薄片を6枚作成し、計696個の細根を調べた。分解過程毎で細根を分類したところ、生きた細根が約7割を占めた。直径は0.3mm以下が約7割を占め、1mm以上の肥大成長をした細根は1割未満で僅かであった。土壌深度毎の細根の個数分布は深度1?3cmに約6割が存在しており、深度0?1cmでは約1割と、特に分布の割合が少なかった。成長方向は土壌表面に対して水平方向に成長する細根が約8割を占めた。また、縦と斜め方向へ成長する細根は、水平方向と比べ、生きている細根の割合が多かった。

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