日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: A32
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林政部門
ドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州の森林行政とカルテル問題
*石崎 涼子
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抄録

[背景と目的]ドイツには、州有林管理と私有林や団体有林の管理を一体的に行う統一森林行政の方式を長期にわたって採用してきた州が多い。ドイツ南部のバーデン・ヴュルテンベルク州もその1つである。だが、この森林行政の仕組みは、近年、改革を迫られている。2013年12月、連邦カルテル局は、バーデン・ヴュルテンベルク州における木材販売の仕組みがカルテル法に反するとし、改革を求める決定を下した。本報告では、このカルテル問題に至る議論の経緯と論点を明らかにすることを目的とする。[方法]2014 年9月にバーデン・ヴュルテンベルク州で実施したヒアリング調査と関連する資料等を用いて分析した。[結果]2013年末のカルテル法違反判決は、直接的には10年前の製材業者による提訴に始まるが、それ以前から徐々に展開してきた森林行政のあり方を巡る議論等とも関わりがあること、最初の提訴の後、木材共同販売の広がり等の影響も受けながら議論が展開してきたこと、カルテル問題によりドイツの森林行政の仕組みが大きく変わりつつあることなどが明らかとなった。

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