日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: D06
会議情報

造林部門
中部地方のスギ高齢人工林の林分構造
*横井 秀一三村 晴彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】人工林の長伐期施業を進める上で、伐期に想定されるような林齢の現存林分の構造から施業に結びつく情報を得ることは有意義である。本研究の目的は、高齢スギ人工林の構成個体の径級と他の因子との関係を明らかにし、施業に結びつくヒントを得ることである。 【方法】岐阜県・愛知県・富山県で、80~117年生のスギ人工林33林分を調査した。調査区(0.1ha程度)を設置し、区内の立木(DBH≧10cm)の胸高直径・樹高・枝下高・樹冠幅を測定した。樹高から枝下高を引いた値を樹冠長とした。解析に当たり、本数密度と林分材積はスギ以外の樹種を含め、胸高直径などの平均値はスギだけで計算した。 【結果】調査林分は、本数密度169~1067本/ha、平均樹高19.1~35.9m、平均胸高直径23.5~68.6cmであり、それらの値は調査地により大きく異なった。林齢と本数密度や平均胸高直径には、関係がみられなかった。平均胸高直径は、本数密度と負の、平均樹高・平均樹冠長・平均樹冠幅と正の相関がみられた。平均胸高直径を応答変数、林齢・平均個体間距離・地位指数を説明変数とする重回帰分析で、重決定係数0.84を得た。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top