日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: E07
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遺伝・育種部門
高標高×低標高交雑に由来するトドマツ分離集団を用いたRAD-seqによる連鎖地図構築
*後藤 晋鐘ヶ江 弘美石塚 航北村 系子上野 真義久本 洋子八杉 公基永野 惇工藤 洋岩田 洋佳
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抄録

北海道中央部ではトドマツが標高200mから1200m程度まで自生するが、標高間相互移植試験により、フェノロジーや成長形質で自生標高への適応が示唆されているが、具体的にどのような遺伝子が関与しているかは不明である。本研究では、高標高(1100-1200m)と低標高(530m)に自生するトドマツ個体間の相互交雑試で得られた高標高×低標高(以下、高×低)の2つの交雑個体を両親として、2011年5月に人工交配を行い、それらの分離集団376個体を用いて連鎖地図を作成した。RAD-Seqで得られた66,035のSNP座のうち、80%以上の個体で遺伝子型が決定でき、親ごとに1:1分離が期待されるaa×ab、ab×aaの遺伝子型を持つそれぞれ576座と567座のSNPを用いて、疑似検定交配を想定して連鎖地図を作成した。その結果、各親についてそれぞれ12連鎖群の地図を作成できた。作成された連鎖群の数は、トドマツの染色体数(2n=24)から予想される数に一致していた。今後、得られた連鎖地図を利用して、実生のフェノロジーや成長形質に関するQTL解析を行う予定である。

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© 2015 日本森林学会
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