日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T11-03
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T11. 都市近郊林の文化的サービスの持続的発揮に向けて-多様な学問領域の視点から-
都市近郊林と教育的利用
*井上 真理子大石 康彦
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抄録

森林の教育的利用の研究動向について,文献検索をもとに都市近郊林の扱い,研究の対象や手法,研究上のニーズや課題を整理した。専門教育から始まった森林教育研究は,1980年代に一般市民への教育にも広がり,教育の場としての森林が研究対象となった。この時期は,都市で森林が減少する中で都市近郊林や都市林の研究が盛んに行われた。その後,森林環境教育の提唱(1999年),「森林・林業基本法」(2001年)での教育のための森林利用の位置づけや,学校教育での環境教育や自然体験活動の推進などを背景に,森林教育研究が盛んになった。研究対象は,教育活動の要素(対象者,教育プログラム,指導者など)や森林観,教育活動を通じた地域連携や行政施策など幅広く,多様なアプローチが行われている。また,森林の総合的利用や森林レクリエーション活動の中で捉えられることが多く,森林教育とは何かという概念が研究されており,環境教育やESD,学校教育などとの関係や教育の評価,体系化が課題となっている。都市近郊林は,自然体験の場として要望が高いが(森林と生活に関する世論調査,2011年),学校林や演習林での研究が多く,教育研究は限られている。

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