日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T12-06
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T12. 国際認定は地元を豊かにしたのか -世界自然遺産、エコパーク、世界農業遺産、ジオパークの定量・定性的分析事例から-
日本ではエコパークと呼ばれる生物圏保存地域は観光デスティネーションたりうるのか?
*田中 伸彦杉村 乾松浦 俊也宮本 麻子
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抄録

 ユネスコの採択から20年経過した1992年、日本は世界遺産条約を批准した。この条約は、「文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とするもの(外務省訳)」で、観光を第一義の目的とはしない一方、日本では観光地のブランド化を行う制度として広く受け入れられた。その後、類似制度として、ジオパークやエコミュージアム、世界農業遺産なども注目され、地域振興/観光振興への期待が高まった。エコパークという国内呼称を持つ生物圏保存地域も、その様な制度の1つとして認識されることが多い。しかしながら、自然の保全と観光デスティネーションの育成との関係を考えた場合、諸制度の扱われ方は、本来の原則からやや外れている面も否めない。本発表は、この点に着目し、まず生物圏保存地域を中心に、観光学的観点からのデスティネーション概念の整理を行う。続いて福島県只見町の事例などを参考に、地元観光レクリエーションの実態を踏まえた生物圏保存地域の位置づけを考察する。なお、本研究は、科研費基盤研究(C)(課題番号:24580226)の助成を受けた。

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