世界農業遺産の登録では、明確な効果があったのか。観光客数、商品の価格の双方から、石川県能登半島の題材を中心に議論する。世界自然遺産などと比べ、知名度が限定的である制度の認定に対して、地元は豊かになったのかどうかに、関連自治体も関心を寄せている。
そこで能登・加賀の農産物の振興のために,ブランド化や地名のプレミアムの効果を地元の法人Iの売上げデータの分析を通して明らかにする.
今回,地元の産品に注目したカタログの売上げデータに着目をして分析を行った.同カタログは,地産地消を目指し配布しているの法人Iの独自の食品カタログである.北陸で生産、製造される地場の商品を中心に集められており,地元ブランド品の分析には最適な対象である.カタログでは,常時15品目の野菜を取り扱っている.カタログで取り扱っているしいたけを含む「農産物」を対象に毎月の販売品目,利用者数,実績,価格についてのデータの分析を行った.
また森林を含め、観光やレクリエーション利用の訪問客数の動向についても報告し、地元にとっての効果を、商品の価格動向、観光客数から推定する。一方で、認定から年数が浅いこともあり、データには限界もあった。