日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T13-02
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T13. 樹木根の成長と機能
林分密度の異なるヒノキ林における細根生産量
*野口 享太郎酒井 寿夫森下 智陽稲垣 善之宮本 和樹
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抄録

 樹木の細根生産量は、多い場合には森林の純一次生産量の50%以上を占めるとも言われている。そのため、森林の物質生産や炭素動態を理解するためには、細根動態について理解する必要がある。また、間伐などの施業は森林の物質生産や炭素動態に大きな影響を及ぼすと考えられるが、これらの施業が細根動態に与える影響については不明な点が多い。そこで本研究では、間伐が細根生産量に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
 本研究では、高知県の33年生ヒノキ林を調査地とした。このヒノキ林では調査開始2年前に50%(材積)の間伐が行われており、このうち斜面上部の50%間伐区(50%区)および無間伐の対照区(0%区)、斜面下部の50%区および0%区の4林分に調査プロットを設けた。調査手法はルートメッシュ法で、2010年4月に各プロットにメッシュシート(幅10cm、深さ20cm、穴径2×2mm)16点を埋設し、3生育期間後の2012年12月~翌年1月に回収した。埋設期間中にメッシュシートを通った細根の数を計測した結果、斜面上部の0%区、50%区で約100本、110本、斜面下部の0%区、50%区で約35本、25本であり、間伐の影響よりも斜面位置による差違が大きいと考えられた。

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