日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T13-08
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T13. 樹木根の成長と機能
ボルネオ島熱帯雨林における炭素配分-根圏はどのくらいの炭素を利用するのか?-
*片山 歩美
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抄録

森林は光合成で獲得した炭素の多くを地下部に配分し、根圏のバイオマス生産や呼吸に利用される。それでは、光合成で獲得した炭素量のどの程度が地下部に配分され、地上部器官の生産量や呼吸量とどの様な関係があるのか?また、どの様な環境要因に影響を受けるのか?森林全体の地下部への炭素配分メカニズムは、地下部炭素動態の個別のプロセスにかかわる重要な知見であり、地上部と地下部の関連性を知ることができるため、森林の炭素循環を理解するうえでは必要不可欠な情報である。
 演者はこれまで、ボルネオ島熱帯雨林において炭素配分に関する研究を行ってきた。試験地のランビルヒルズ国立公園は、低地フタバガキ林が生育する熱帯雨林で、年間を通して明確な乾燥月がなく、新熱帯に比較すると巨大高木が多くバイオマスが非常に大きいという特徴を有する。本発表では、現在行っている調査の最新データを含め、森林全体の炭素配分の特徴や地下部への炭素配分量などを、地上部の森林構造の特徴や気象・土壌環境と関連づけて報告する。

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