日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T14-01
会議情報

T14. 生理部門特別セッション「樹木の成長と環境」
乾燥地に生育する樹木の特性と森林の動態
*吉川 賢
著者情報
キーワード: 耐乾性, 森林再生, 臭柏, 胡楊
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 乾燥地は年降水量と可能蒸発散量の割合によって極乾燥地、乾燥地、半乾燥地、乾燥半湿潤地に分けられ、世界の陸地の41%を占めている。そこには全人口の35%近い人々が暮らしており、彼らの活動や気候変動によって、乾燥地、半乾燥地、乾燥半湿潤地では、土地の劣化が進み、農業生産の減少や生物多様性の低下が起こっている(砂漠化)。
 乾燥地は気候変動が大きいため樹木が生育しにくい環境であるが、限られた環境に乾燥地林が成立している。人々の生活に欠かせない薪や建築資材はすべて乾燥地林からしか得られないので、住民の生活にきわめて重要な植生であり、それゆえ破壊され、失われる危険も高い。世界の森林面積の約40%は乾燥地林であり、毎年減少割合が増加している。
 そうした乾燥地林の中で、流砂固定に威力を発揮している常緑針葉樹の臭柏(Juniperus sabina)と乾燥地で河畔林を形成する落葉広葉樹の胡楊(Populus euphratica)を取り上げ、その生理生態特性と林分動態の関係を解説する。いずれも厳しい環境に適応するために特異な特性を有する植物であり、まだ解明しなければならない謎も多く残されている。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top