日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: E10
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遺伝・育種部門
室内種子生産技術の実用化に向けた諸条件の検討
*栗田 学平岡 裕一郎小野 雅子平尾 知士高橋 誠渡辺 敦史
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キーワード: スギ, 種子生産, 育種
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抄録

スギはわが国の主要な造林樹種であり日本人の生活に深くかかわってきた。これまで検定林等を活用した調査により第一世代精英樹の特性が明らかになり、それらの情報に基づいた次世代化を進めている。スギにおける主要な育種形質は成長・材質・雄花着花性であるが、それぞれの形質に関わる遺伝子座は複数存在し、受け継ぐ対立遺伝子の組合せによって後代の性能は異なると予想される。よって単一形質もしくは複数形質に優れた次世代候補木を作出するためには、多様な組合せの交配を行い、その中から遺伝的に優れた個体を選抜していく必要がある。多様な複数の交配を簡便かつ高精度に行う方法として、我々は交雑温室を利用した室内種子生産技術の開発を進めている。少ない投入花粉量で交配効率を高めるための条件検討として、投入花粉量や花粉投入のタイミングの最適化を行った。また花粉を投入せずにブース内に設置した苗木の生産する花粉のみで交配が成立するかどうか検討し、室内種子生産技術の実用化に向けた交配手法の最適化を進めている。本発表では様々な条件下で生産した種子の発芽率を解析し、室内種子生産技術の実用化に向けて考慮すべき諸条件について議論する。

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