日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T15-03
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T15. マツ材線虫病研究の最前線 -オミクス的展開による挑戦-
順遺伝学的アプローチによるマツ材線虫病に対するクロマツ生体防御反応の解明
*平尾 知士
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抄録

実験植物及び栽培作物の多くは大規模なゲノム情報の蓄積に伴い、ストレス応答や病虫害に対する生体防御反応に関して、分子レベルでそのメカニズムの解明に迫りつつある。現在、我々も大規模なゲノム情報の収集を行い、順遺伝学的なアプローチからマツ材線虫病に対するクロマツ生体防御反応の解明に向けて研究を進めている。これまでにトランスクリプトームからのアプローチでは、クロマツの抵抗性及び感受性個体を対象として、サブトラクションやマイクロアレイを利用した遺伝子発現解析を行い、線虫の侵入及び移動に伴う生体防御反応の違いを明らかにしてきた。一方で、遺伝学的アプローチからは、SSRマーカーやSNPマーカーといったDNAマーカーを開発するとともに、複数の抵抗性交配家系を利用した連鎖地図の構築とQTL解析を進め、抵抗性形質に関与する遺伝子座の特定も進めてきた。本発表では、それら一連の解析から見えてきたマツ材線虫病に対するクロマツの生体防御反応の特徴について紹介したい。

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© 2015 日本森林学会
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