日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T22-02
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持続可能な社会の実現に向けた森林教育
林業実習に関する中学校技術・家庭科の授業内容の検討
*柏倉 美沙東原 貴志井上 真理子
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抄録

本研究では、学校教育での林業教育の実践が少ない中学校を対象に、技術・家庭科に注目して、教科内で林業に触れる体験的な実習を実施するための授業案づくりを行った。技術・家庭科の技術分野「C生物育成に関する技術」では、「作物の栽培」「動物の飼育」「水産生物の栽培」に加えて、「木材の生産」について学習する。技術教育では、生徒が自分の考えを整理し、目的や条件に応じた育成計画を立てる能力の育成をねらいとしており、①人工林での間伐実習、②収穫表作成システムを用いたコンピュータシミュレーションによる体験的な学習の2つの実習を取り入れた授業案を作成した。
授業案作成にあたり、学内の比較的平坦な42年生スギ人工林内において20m×20mの調査区を設置し、立木の位置、樹高および胸高直径を計測した。つぎに収穫表作成システムを用いて得られたデータから森林の間伐の時期、方法、強度を変え、様々な場合の総収穫量を予測した。その結果、調査区の林木はやや込み合っており、間伐を適切に行うことで木材の総収穫量が多くなることが明らかとなった。このシステムの操作は比較的容易であり、中学校の林業実習として適切であると考えられた。

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